バクテリアセラピーってなに?

  • 2016年07月13日

「菌質改善」で病気の予防や治療に役立てる先端医療バイオテクノロジー arr_slideToggle

人の体には約500種500兆個以上、重さに換算すると約2kgにもなる膨大な量と種類の菌が生息しています。

この菌は人に有益な働きをする「善玉菌」。病気や健康トラブルの原因になる「悪玉菌」。普段はどちらでもないけど優勢な菌に合わせて似たような働きをするようになる「日和見菌」の大きく3つに分けることができます。

人体では24時間365日、この「善玉菌」と「悪玉菌」の戦いが続けられており、どちらが優勢かでその人(宿主)の健康状態が左右されていることが分かり始めてきました。

「バクテリアセラピー」(学術名: Bacterio-therapy)とは、善玉菌を利用して体内に常在する菌の質やバランスを改善することで、疾病の予防や治療に役立てる先進医療技術で、スウェーデンのバイオガイア社によって臨床実用化進められています。

「バクテリアセラピー」って初めて聞くけどアヤしくないの? arr_slideToggle

バクテリアセラピーは国際医療学会で古くから学術用語として定義されている、しっかりとした医療技術です。

昨今の健康ブームで巷には「◯◯セラピー」「☓☓セラピー」などの言葉が氾濫していますが、その中には科学的な根拠や効果効能が乏しかったり、中には全く無かったりするものが数多く含まれています。そもそも「セラピー」という単語は医師によって行われる医学的な治療を意味しますが、日本ではカタカナ語としてファッションや流行語、造語として多用される傾向にあるため、バクテリアセラピーもそういった類のものと混同されてしまう場合があります。

しかし、学会ではきちんと「バクテリアセラピーとは病原菌の抑制・制御を行う効果の確認されている菌株を摂取することで、宿主の菌叢を良好に維持または再建する技術。」(1946, Florey, 1999, Hillman)と定義されており、欧米を中心に永年に亘って研究が進められてきた確固たる医療技術分野です。

従って専門家が「バクテリアセラピー」と称する時には、論文や臨床試験などを通じてきちんとした学術的な効果が証明されている医学的な知見に基づいた治療技術を指します。

どんな時に役立つの? arr_slideToggle

例えば歯周病や風邪などの細菌感染症を治療する際には菌を殺菌する薬剤として抗生物質が使用されます。

抗生物質は、病原菌を短期間で殺菌する力が強いお薬で、感染症の治療には非常に有効な手段です。しかし、その一方で抗生物質は体内の善玉菌や日和見菌も”皆殺し”にしてしまうため、多用するとおなかの調子が悪くなったり、常用すると菌が抵抗力をつけてしまって抗生物質でも除菌できない「薬剤耐性菌」を産んでしまうリスクがあります。

抗生物質にはその他、色々な副作用があるため必要以上に使用することはできません。特に小さな赤ちゃんや高齢者、妊婦には十分に気をつけて処方する必要があります。そのため、健康な時に予防的に服用することもできません。

バクテリアセラピーは抗生物質を避けたい患者さんにも実施できる安心で安全な新しい方法として注目されており、特に新生児の感染症予防や治療の領域から普及していきました。

感染症・脳梗塞・心筋梗塞・糖尿病・肺炎・アレルギー・整腸・がんなどの治療や予防にも注目されているバクテリアセラピー。 arr_slideToggle

近年の研究では、人体常在菌が生命を脅かす様々な重大疾患や健康トラブルと深く関係していることが分かり始めてきました。特に口とそれに繋がる胃や中などの消化器官の中に常在している人体常在菌を

予防と治療を応援する。自分でも簡単に始められるのがバクテリアセラピー。

バクテリアセラピーは病原菌の「天敵」とも言える天然の善玉菌を使用して病原菌を近付けなくしたり増えにくくすることで、感染の予防や治療に役立てる、古くて新しいナチュラルな技術です。抗生物質と違ってヨーグルトなどの自然食品にも多く含まれている乳酸菌などを使用するだけなので。基本的に安心・安全な方法です。

お薬を服用するのではありませんので、副作用などのリスクもありませんから、善玉菌を自分で選んで摂取することができる方は自分でも簡単に取り組むことが可能です。

こうした安全性からバクテリアセラピーは健康な時にも予防的に取り入れることができますし、最近は抗生物質の副作用の低減を目的に治療に併用されることもあります。

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