抗生剤の使い過ぎはアレルギーへ繋がる???

  • 2017年09月04日

アレルギーを持つ人がこんなにも多いのは、抗生剤のせいかもしれません?!?

 

花粉・卵・小麦・ピーナツ・金属・ゴム・犬に猫にハムスター、それに日光まで…

あらゆるアレルギー持ちさんが存在する昨今でございます。

いつの間に世の中、こんなにアレルギーだらけになったのでしょう。

これからお届けするレポートは、アメリカの記者によって書かれた記事です。

Red and white antibiotic capsules spilling out of a bottle onto a white surface in a medical and healthcare concept

科学者たちは、これまで何十年も前から警告してきました。

「抗生剤の使いすぎに気をつけろ!ヤツらがあらわれる…。そう、薬剤耐性菌だ。」

いまや薬剤耐性菌は、なんと、1年に23,000名の死者と200万の病気をひきおこしています。(http://www.cdc.gov/drugresistance/

 

アレルギーの薬といえば「抗アレルギー剤」「抗ヒスタミン剤」じゃない?

抗生剤って関係なくない???

 

いえいえ、それがそうでもなさそうなのです。

 

お隣さんもアレルギー?はす向かいさんもアレルギー?!

ここ20~30年、免疫学者とアレルギー専門医たちはアレルギー発生率の急激な上昇に注目しています。

米国学会調べでは、世界中で40~50%の子供が、少なくとも1種類以上のアレルギーを持っているという結果が出ているのです。

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これはアメリカだけで起きているわけではありません。

他の先進国も増加傾向にあるのです。

このことは、最新の研究によって、特に子供が咽頭炎や風邪などウイルスに感染した際の抗生剤の使用頻度と関係している可能性が明らかになってきています。

抗生剤は、腸内微生物叢[腸内フローラ]を破壊する?!

 

Q…なぜ有害な菌と戦うための抗生剤が、アレルギーに敏感な人を増やしてしまうのでしょう?

 

A…それは抗生剤が感染源の有害な菌と戦っている間、消化器官内の常在菌も減らしてしまうからです。

 

抗生剤は、有害な菌のみに作用するわけでは無いのです。

腸内にいる細菌と免疫細胞は、互いに深く作用しあっており、腸内細菌叢[腸内フローラ]は免疫反応の成熟に大切な役割を担っています。

腸内細菌と免疫細胞の相互関係がうまくいかない場合、免疫機能は食べ物や花粉、ホコリなどの全く無害な物質にまで有害とみなし、反応・攻撃してしまうのです。

そう、これこそがアレルギーの正体です。

幼少期のアレルギー反応は、生涯の免疫機能に関わってきます。

抗生剤を使用し病原体を駆逐することで、私たちは即座に通常の生活に戻れるかもしれませんが、その代償として免疫機能を低下させるかもしれないということです。

 

それでは多くの病原体を持っていることは、アレルギーにかかる確率が少ないということでしょうか?

 

ヨーロッパで行われた研究によって、農場で生まれた子供たちはたくさんの種類の病原菌を持っており、その上でアレルギーや喘息にかかる確率が(農場で育っていない子供達に比べ)70%も低いことがわかりました。

様々な病原菌を持つことで、免疫機能のバランスが生まれ、不適切な免疫反応から守ることができるのです!

このことからも、病原菌からの感染を防ぐために薬剤を使うことで、子供達のアレルギーや喘息にかかる確率を高めているかもしれない、と言えるでしょう。

2005年の研究では、4~6ヶ月の乳児に抗生剤を与えることで、アレルギーのリスクを1.3~5倍もあげてしまうという結果が出ています。そして抗生剤を与えられた乳児達は、体内のバクテリアは多様性が減り、皮膚炎などを引き起こす可能性が高まるのです。

 

これは子供達に限ったことではありません。

母親が抗生剤を摂取するときは、その子供達にも影響を及ぼす可能性が有ります。

コペンハーゲン小児喘息前向きコホート研究では、デンマーク国内の喘息を患っている母親から生まれた乳児に関する、長期的な研究が行われております。

それによると、母親が妊娠中に抗生剤を摂取した場合、生まれた子供は(そうでない子供に比べ)喘息にかかる確率が2倍も高いということが判明したのです。

 

ラットを使った研究でも、抗生剤を摂取した子供のラットはアレルギーと喘息を発症しやすいという結果が出ています。

では、なぜ抗生剤は乱用されるの?

抗生剤の過剰な使用が大きな問題へ繋がることを、知らない医師はいないでしょう。

しかし、処方をコントロールしている医師は、多くありません。

最新の研究では、10%の医師たちが上気道感染症(…ウイルスによる風邪)にかかっている95%もの患者に抗生剤を処方していることがわかりました。

 

医療にたずさわるプロフェッショナルであるならば、抗生剤が生み出す薬剤耐性菌にだけ気をつければいいというわけではありません。なぜならそれは、別の健康上の問題を作り出す可能性があるのです。

抗生剤の副産物は、子供達にも影響をおよぼすのですから。

 

子供を持つ親御さんたちは、ウイルス感染によっておこる、一般的な風邪や喉の痛みがあるだけの子供達に処方される抗生剤について、注意深く考えなくてはならないのです。

そして医師たちも、抗生剤を処方する際は、今一度考える必要があるでしょう。

 

『NEWS! 新抗生剤、開発!!』…それは過度な使用注意のサイン!

 

薬剤耐性菌が生まれると、私たちはさらに耐性菌を駆逐するための新しい抗生剤を開発する必要に駆られます。

抗生剤と菌とのイタチごっこです。

新薬の開発にはかなりの時間(最長10年ほど)がかかるため、製薬会社たちはこの問題について見て見ぬフリをし始めているのが現状です。

米国国会も抗生剤の過度な使用は大きな問題だと気がついており、「21st Century Cures Act」と呼ばれる法案を通過させたばかりです。

この法案は、21世紀における新しい治療法の発見・開発・臨床現場への導入をさらに迅速化させるためのものです。

しかし、この動きは薬剤耐性菌のパワーアップを無視して、新しい抗生剤の使用を増加させるという逆の効果に繋がりかねません。それはアレルギーにかかる人を増やす可能性にもつながるわけです。

薬剤耐性菌の更なる快進撃を食い止め、アレルギー発症の増加傾向を減らすために、

米国国会は新薬の開発よりも、抗生剤の乱用に目を向ける必要があるのではないでしょうか。

(原文: http://theconversation.com/antibiotic-overuse-might-be-why-so-many-people-have-allergies-48078)

 

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